みなさん、こんにちは!
病院で使われている電子カルテをご存知でしょうか?医師が患者さんの診察結果や処方した薬の情報をデジタルで管理するアレです。実は、この「カルテ」という考え方が、なんと太陽光パネルの世界にも登場したんです!

サンエーという会社が、太陽光パネルの履歴を一元管理するクラウドサービスを始めるそうです。パネルの製造元情報、設置日、メンテナンス履歴、保険情報など、約30項目もの情報をクラウド上で管理できるんだとか。まさに「太陽光パネルの電子カルテ」ですね。

スマホをかざすだけでラクラク情報アクセス

このシステム、面白いのが「サンエートレーサビリティマーカー」というものを使うんです。これは要するにQRコードのようなもので、スマホをかざすだけで詳細情報にアクセスできるんだそう。
特に気に入ったのは、このマーカーをパワーコンディショナーやモニターなどの周辺機器に貼り付けるという点。屋根の上のパネルまで登らなくても、地上で簡単に情報確認ができるわけです。これは便利!

太陽光発電業界のトレーサビリティ向上へ

このサービス、単に便利というだけでなく、業界全体にとっても意味があります。例えば、パネルの廃棄時に適切な処理ができるようになったり、リサイクルの効率が上がったりするんです。環境保護の観点からも、とても重要な取り組みだと言えますね。

トレーザビリティ

トレーサビリティとは、原料の調達から生産、消費までのサプライチェーン全体の各工程を追跡可能な状態に落とし込むこと

成熟産業へ向かう太陽光発電ビジネス

太陽光発電業界も、他の産業と同じように成熟期に入りつつあるのかもしれません。中国では既にパネル販売だけでは利益が薄くなっているそうで、次の一手としてペロブスカイトの付加価値を高めた製品などで利益を産み出そうとするのではと思います。
でも、そういった新技術も早晩追いつかれて、またコモディティ化してしまう。今回のクラウドサービスも、そういった流れの中で生まれてきたものなのかもしれません。

コモディティ化

コモディティ化とは、商品やサービスが市場で画一化され、差別化が難しくなり、価格以外の競争要素がなくなることを意味するマーケティング用語

課題は業界標準化

ただ、一つ気になる点があります。このようなサービスって、一社だけでやっても限界があるんじゃないでしょうか。病院の電子カルテだって、日本中の病院で使えるからこそ意味があるわけです。
太陽光パネルの管理システムも、業界全体で統一されたフォーマットがあれば、もっと便利になるはず。国や業界団体が音頭を取って、標準化を進めていくことが理想的だと思います。

太陽光発電は、これからますます私たちの生活に身近になっていくでしょう。そんな中で、今回紹介したようなデジタル管理システムは、太陽光発電をより安全で効率的なものにしてくれる可能性を秘めています。