みなさん、こんにちは!
最近、電気代の請求書を見て「えっ、こんなに高くなってるの!?」と驚いた経験はありませんか?今回は、その背景にある「燃料費調整制度」について、ちょっと掘り下げてみたいと思います。難しそうに聞こえますが、実はこれ、私たちの暮らしに直結する大切な話なんです。
燃料費調整制度って何?
まず、「燃料費調整制度」って聞いたことありますか?簡単に言うと、火力発電に使う燃料の価格変動を、私たちの電気料金に反映させる仕組みのことです。石油やLNG(液化天然ガス)、石炭の価格が上がれば電気代も上がり、下がれば電気代も下がる…というわけです。
この制度、電力会社が急な燃料価格の変動にも対応できるようにするためのものでした。でも、ここで重要なポイントが。これまでは「燃料費調整には上限がある」というルールがあったんです。
電気料金メニューの多くは、火力発電の燃料価格の変動に合わせて電気料金(電力量料金)を自動で調整する燃料費調整の仕組みが取り入れられています。これにより、毎月、燃料価格が上が ると電気料金が上がり、燃料価格が下がると電気料金が下がる仕組みとなっています。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/electricity_and_gas/electric/fee/fuel_cost_adjustment_001/
上限撤廃のドラマ、電力会社と新電力の攻防
ところが最近、この上限が撤廃されました。なぜかって?それには、電力会社と新電力会社のちょっとしたドラマがあったんですよ。
2021年から2022年にかけて、世界的に燃料価格が急騰しました。でも、上限があるせいで電力会社は本当のコストを料金に反映できず、大きな損失を抱えることに。一方、新しく参入してきた電力会社(新電力)は、この状況下で顧客を獲得するのが難しくなってしまいました。
注目すべきは、新電力への切り替え(スイッチング)件数のグラフです。長年、毎月20万~30万件ほどだったのが、2022年4月以降、急激に減少。2023年には月5万件程度まで落ち込んでしまったんです。新電力のシェアも、それまで順調に伸びていたのに、2022年8月の28.3%をピークに頭打ちになってしまいました。この劇的な変化は、燃料費調整の上限規定が市場に及ぼした影響の大きさを示しています。
私たちの電気代はどうなる?
「えっ、じゃあこれからどんどん電気代が上がるの!?」
そんな不安が頭をよぎりますよね。確かに、燃料価格が高騰すれば、その分電気代も上がる可能性は高くなります。ですが、この制度変更には良い面もあるんです。例えば、電力会社間の公平な競争が促進されるかもしれません。そして、再生可能エネルギーの価値が相対的に高まる可能性も。こういった電力市場の変化は、再エネの普及にとってはチャンスになるかもしれません。燃料費に左右されない太陽光発電の魅力が、より際立つようになるかもしれないんです。
今後、日本の電力市場はどう変わっていく?
一つ注目したいのが、脱炭素化の流れです。2026年度から排出量取引制度が本格稼働する予定で、これも電気料金に影響を与える可能性が高いんです。
また、現在の「3段階逓増料金制度」も見直しの可能性があります。この制度、使えば使うほど単価が上がる仕組みなんですが、単身・2人世帯が増えている現代の日本には、そぐわなくなってきているんです。
排出量取引とは、温室効果ガスの削減をより容易にする制度のひとつで、国や企業ごとに定めた温室効果ガスの排出枠を取引する制度です。排出量取引では、国や企業ごとに温室効果ガスの排出枠(キャップ)を設けます。その排出枠を超えて温室効果ガスを排出した国や企業は、排出枠が余った国や企業から、その排出枠を購入することができます。この排出枠の取引を「排出量取引」または「排出権取引」と言います。
https://www.mitsui.com/solution/contents/solutions/offset/50
電気料金の単価を、使用電力量に応じて3段階に設定した制度です。使用電力量が少ない方から順に、第1段階料金、第2段階料金、第3段階料金という単価がそれぞれ設定されています。
https://pps-net.org/glossary/43753
「電力自由化」って言葉、よく聞きますよね。でも、本当の意味で「自由」な選択ができているでしょうか?私たち消費者にできることは、まず知ること。そして、自分に合った電力会社や料金プランを選ぶこと。さらには、太陽光発電のような再生可能エネルギーの導入を考えてみるのもいいかもしれません。
エネルギー問題は難しく感じるかもしれません。でも、実は私たちの日々の暮らしに直結しているんです。これを機に、ちょっと電気のこと、考えてみませんか?