みなさん、こんにちは!
最近、「脱炭素」や「GX(グリーントランスフォーメーション)」という言葉をよく耳にしませんか?
実は、日本のエネルギー政策が大きな転換点を迎えているんです。
GXとはGreen Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略語。
化石エネルギー中心の産業・社会構造を、クリーンエネルギー中心の構造に転換していく、経済社会システム全体の改革への取り組みを指します。(読み:ジーエックス)
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/gx
電力需要増加の衝撃!AIブームの思わぬ影響?
まず驚いたのが、約20年ぶりに電力需要が増加に転じる見通しだという点。その背景には、なんと生成AIの普及があるそうです。ChatGPTなど最近話題の生成AIですが、私たちの生活を便利にしてくれている一方で、実は大量の電力を消費しているんですね。AIと省エネ、この両立が今後の大きなテーマになりそうですね。
脱炭素か、経済成長か。それとも両立か?
さて、ここからが本題。畠山次長が繰り返し強調していたのは、脱炭素エネルギーの確保が経済成長に直結するという点です。
例えば、日本の基幹産業である鉄鋼業。これまでの高炉生産から電炉生産への転換や、水素を使った生産プロセスの導入が進められています。でも、これらの新技術には大量の電力や水素が必要。その電力や水素が「脱炭素」でないと、せっかくの取り組みも台無しになってしまうんです。
半導体産業でも同じこと。GAFAやマイクロソフトといった巨大IT企業は、自社の排出するCO2だけでなく、調達する部品や素材の生産過程で発生するCO2まで、すべてゼロにする目標を掲げているそうです。
つまり、脱炭素エネルギーを確保できないと、日本の主要産業が国際競争力を失ってしまう。そんな危機感が伝わってきました。
GAFAとは、米国の主要IT企業であるグーグル(Google)、アマゾン(Amazon)、フェイスブック(Facebook)、アップル(Apple)の4社の総称。ガーファと呼ぶ。GAFAにマイクロソフト(Microsoft)を加えて、GAFAM(ガーファム)と呼ぶ場合もある。
https://mba.globis.ac.jp/about_mba/glossary/detail-19766.html
データセンター誘致、デジタル赤字との闘い
個人的に最も興味深かったのが、データセンター投資の話題です。マイクロソフトが今後2年間で4400億円もの投資を日本に行うと表明しているそうです。でも、これも日本に十分な脱炭素電源があってこその話。
なぜデータセンターがそんなに重要なのか?それは「デジタル赤字」という言葉に隠されています。現在、日本のデジタル分野でのサービス収支の赤字は年間約5.5兆円。これは、国内の計算能力が足りず、海外のデータセンターを借りているためだそうです。
このままデータセンター需要を海外に依存し続けると、デジタル赤字が2桁兆円に膨らむ可能性があるとか。貿易赤字と合わせて二重の赤字を抱え込むことになり、日本経済に大きな打撃を与えかねません。
個人的な意見を言わせてもらえば、国家の重要な情報や個人情報を海外のデータセンターに預けるのは避けるべきだと思います。AWSなどに代わる国内のデータセンター、できれば国営でもいいから作るべきではないでしょうか。
エネルギーミックスの妙、バランスが肝心
では、具体的にどんなエネルギー政策が必要なのでしょうか。畠山次長は、特定の電源に偏らない「バランスの取れたエネルギーポートフォリオ」の重要性を説いています。再生可能エネルギー、原子力、そして当面は天然ガスも。「卵は一つのカゴに盛るな」ということわざがありますが、まさにその通りですね。
特に、再エネだけでは将来的に電力が足りなくなる可能性が高いそうです。コスト面でも課題があるとのこと。そう考えると、再エネ以外の脱炭素エネルギーの重要性も再認識せざるを得ません…日本の高い技術力で、この課題も乗り越えられると良いのですが。
巨額だけど必要不可欠?未来への投資
ただし、こうした脱炭素エネルギーへの転換には莫大な投資が必要になります。発電設備、送電線、水素供給のためのインフラなど、様々な分野での設備投資が求められるそうです。
一方で、投資が少なすぎると、経済成長の機会を逃してしまう可能性もあります。そこで政府は、投資を促す新たな政策も検討中だとか。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)のような、投資の予見性を高める仕組みが必要になるかもしれません。
エネルギー政策は国家レベルの大きな問題ですが、省エネ製品の選択や再生可能エネルギーの利用など、小さな一歩から始められることもたくさんあります。また、エネルギー問題に関心を持ち、政策決定に関わる選挙では候補者のエネルギー政策をしっかりチェックするなど、今後はますます大切になっていくのではないでしょうか。