みなさん、こんにちは!
今日は川崎市で始まった興味深い取り組みをご紹介したいと思います。
川崎発、官民一体で挑む再エネの実験
川崎市の高津千年営業所で、ヤマト運輸が興味深い取り組みを始めました。この営業所では使用する電力を100%再生可能エネルギーにしているのですが、特筆すべきは電力の調達方法。なんと、市民の家庭から出るごみの焼却で生まれる電力を活用しているんです。地域新電力会社の川崎未来エナジーを通じて供給される、まさに「地産地消」な電力と言えますね。
本当のイノベーションは「使い方」にあり
でも、この事例で私が最も注目したいのは、実は電力の「使い方」なんです。ヤマト運輸が独自開発したエネルギーマネジメントシステム(EMS)が、とても賢い働きをしています。
このEMSは太陽光発電設備、蓄電池、そして25台もの電気自動車(EV)の充電を総合的に管理。その結果、なんと最大使用電力(デマンド値)を120kWから70kW以下まで抑えることに成功したそうです。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは、エネルギー使用をモニタリングし、運用効率を最適化するためのシステムのことです。EMSはエネルギーコストの削減につながることから多くの企業が導入検討を開始しています。
https://www.melsc.co.jp/business/column/details/sng05/
なぜ今、このケースが重要なのか
確かに、25台ものEVを保有している企業は、現時点ではそう多くないかもしれません。でも、これは間違いなく「未来の縮図」だと思います。企業のEV導入が加速する中、夜間の一斉充電による電力需要の急増は、多くの企業が直面するであろう課題です。
ヤマト運輸のケースは、その解決策の一つを示してくれています。太陽光発電と蓄電池、EVの充電を賢くコントロールすることで、電力の効率的な利用が可能になるんです。
EMSの発展に期待
現在、EMSは各社が独自に開発している状況のようです。しかし、ペロブスカイト太陽電池のような新技術や、次世代蓄電池の登場により、さらに高度なEMSが求められる時代が来るでしょう。
このヤマト運輸の事例は、NEDOのグリーンイノベーション基金事業として開発されたとのこと。官民一体となった技術開発の好例とも言えます。
一見、ごみ焼却による再生可能エネルギーの活用という環境への取り組みに見えるこの事例。でも実は、その裏で進む電力の「賢い使い方」にこそ、未来のヒントが隠されているのかもしれません。これからのエネルギーマネジメントの在り方を考える上で、とても示唆に富んだ取り組みだと感じました。