みなさん、こんにちは!
今日は、「脱炭素を進める柔軟性の大切さ」をテーマにした記事をお届けします。世界的な取り組みと日本の課題を比較しつつ、どのような工夫が進められているのか一緒に見ていきましょう。

VREって何だろう?

まず最初に知っておきたいのが「VRE」という言葉です。Variable Renewable Energyの略で、主に太陽光発電と風力発電を指します。「お天気任せ」と言われるように、天候によって発電量が変動するのが特徴なんです。でも、燃料費がゼロで、設備コストも原発や火力発電より比較的安いため、世界中で導入が進んでいます。なんとIEAによると、2050年には世界の電力量の3分の2をVREが占めると予測されているんですよ。

VER(Variable renewable energy:変動型再生可能エネルギー)とは

水力、地熱、バイオエネルギー、太陽光、風力、および海洋エネルギーなどの再生可能エネルギーの利用可能性は、地熱エネルギーを除くとさまざまな程度で年、季節、月、日、時間、および 1 時間内のさまざまなタイムスケールで「変動性」がある。このようなエネルギーを「変動型再生可能エネルギー(VRE)」という。特に太陽光発電と風力発電は短いタイムスケールでの変動性がきわめて高く、電力系統に風力発電と太陽光発電を大量に系統連系した場合の運用面が課題となる。
https://www.levo.or.jp/research/tyousa/research-tyousa-4/word-v2/

日本の現状と課題

ここで気になるのが日本の状況です。現在、日本のVRE比率は約12%で欧州の再生エネ先進国が40%前後なのと比べると、かなり低い数字です。さらに特徴的なのが、風力発電と太陽光発電の比率が1:10と、太陽光発電に大きく偏っていることです。
太陽光発電は昼間しか発電できませんが、風力発電は夜間も発電可能。季節でみても、冬は日照時間が短くて太陽光発電が減少する一方で、風が強くなって風力発電が活躍します。ドイツではこのバランスを研究して、効率的な導入を進めているそうです。
日本では再エネ導入が進むにつれ、「柔軟性」をどう強化するかが今後の大きな課題となるでしょう。

柔軟性とは何か?再生エネルギーの拡大に不可欠な要素

ここで言う「柔軟性」とは、電力の供給と需要の変動に柔軟に対応できる仕組みのこと。特に、天候によって発電量が左右される風力や太陽光発電の普及には、この柔軟性が欠かせません。
ヨーロッパでは、この柔軟性の考え方が浸透していて、効果的な仕組みが多く導入されています。特にドイツやスペインは柔軟性を活かし、再エネ率を40%以上にまで拡大しています。
特に印象的だったのが、スペインの「SRAP」という監視システムです。これにより、不測の系統混雑が発生した場合にも、自動で出力を調整でき、結果的に再エネの供給がさらに安定するようになっています。

例えば、

発電所のコントロール

出力抑制をコントロールすることで、柔軟性を持たせる方法。

蓄電池の利用

蓄電池によって余剰電力を蓄え、必要な時に放出することで、需給バランスを保つことが可能。

EV(電気自動車)のスマート充電

需要の少ない夜間に充電を行うなど、電力需要をコントロールする工夫。

リアルタイム系統管理システム

スペインでは、送電網の管理にリアルタイムの自動監視システムを導入し、発電所の出力を効率的に調整しています。

こういった仕組みを組み合わせることで、なんと出力抑制を15%から1%にまで下げることができるそうです。日本ではよく「火力発電で調整するしかない」という話を聞きますが、それは柔軟性のたった一つの方法でしかないんですね。

脱炭素社会の実現へ向けた柔軟性の意義

今回の記事を通じて感じたのは、柔軟性があるからこそ、再エネを積極的に取り入れ、安定した電力供給が可能になるということ。記事の最後で紹介されていたように、ドイツでは20世紀には再エネ導入に消極的な意見も多かったそうです。しかし今では、柔軟性を活用しながら再エネの拡大が進んでおり、もはや当時の意見は「笑い話」とも言われています。

日本も同じように、柔軟性の考え方を取り入れることで、再エネのさらなる拡大と脱炭素化が期待できるのではないでしょうか。欧州の成功事例から学べることは、たくさんありそうです。