みなさん、こんにちは!
今回はCOP29(国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議)でイギリスが打ち出した「温室効果ガス排出81%削減」という野心的な計画について、キア・スターマー首相の発表をきっかけにした地政学的な影響や、その裏にある課題に焦点を当てていきたいと思います。
イギリスの「脱炭素化」計画の狙いとは?
スターマー首相が掲げた温室効果ガスの大幅削減計画は、2050年までに実質的な排出ゼロを目指す世界的な流れに合わせたものです。2035年までに1990年比で81%の削減という目標は、単なる環境保護を超えて経済成長の一環として捉えられています。英国政府は公営のクリーンエネルギー企業を設立し、未来のグリーン産業と雇用創出を目指しています。スターマー首相は「気候対策が経済成長への道」と明言しており、ここには雇用機会や投資機会の創出を期待する大きな意図があります。エネルギー変革を牽引することで新たな地政学的地位を築こうとしている姿勢に、果たしてどこまで成果を見出すことができるのか注目したいところです。
グリーン市場の成長と雇用の拡大
スターマー政権の一環として、英国のグリーン産業に既に約64万人が従事しているとのこと。特に20~22年にかけての成長率は20%にも上り、他産業の4倍のスピードでの拡大が報告されています。グリーン産業へのシフトが進む中、企業や自治体の取り組みが社会全体に広がっていることが伺えます。
こうしたグリーン市場の拡大は非常に魅力的であり、日本もこれを参考にしなければと感じました。どの企業も持続可能な成長を目指しつつ、新たな雇用を生み出すことができれば素晴らしいですね。
現実の課題と日本への示唆
一方で、脱炭素化がもたらす困難も見逃せません。イギリス国内では物価の上昇や政策金利の引き上げが経済的負担となり、スタグフレーションの兆しが出ているとの指摘もあります。コロナ禍やウクライナ戦争の影響を受け、企業や家庭の負担が増加している現状は、まさに日本の経済課題と重なります。これを乗り越えるための手段は何か、日本全体で考えていく必要があるでしょう。
スタグフレーションとは、景気が後退していく中でインフレーション(インフレ、物価上昇)が同時進行する現象のことをいいます。
https://www.smbcnikko.co.jp/terms/japan/su/J0293.html
COP29でのスターマー首相の発表は、イギリスの未来への挑戦と同時に、私たちも多くの課題に立ち向かう必要があることを示唆しています。脱炭素化という大きな流れを成長の機会と捉えつつも、慎重な計画と実行が求められる局面です。次の一歩をどのように踏み出すべきか、日々考えていくことが大事だと思います。