みなさん、こんにちは!
海水からCO2を回収するという技術、「ダイレクト・オーシャン・キャプチャー(DOC)」が話題になっています。どんな仕組みなのか、どんな可能性があるのか、一緒に見ていきましょう。
海の力を使ったCO2回収とは?
まず、この技術の仕組みを簡単にご紹介します。DOCは、海水に溶け込んだCO2を回収する技術です。海は、大気中に放出された二酸化炭素の約3分の1を吸収するため、大気中から回収するよりも効率的にCO2の回収ができるという特徴があります。
具体的には、海上に設置されたプラントが海水を吸い上げ、電気を流して酸性の海水を作り、炭酸水となった海水からガスを分離してCO2を気体として取り出すという技術です。
なぜ「海」なのか?
ここで気になるのは「なぜ大気(Air)ではなく海(Ocean)なのか?」という点です。その理由は、コストにあります。DOCはDACの約半分のコストで実現可能と言われており、これが大きな魅力となっています。また、海洋が大気中のCO2を吸収するという自然の仕組みを利用しているため、海水中のCO2を回収すれば大気中のCO2削減にもつながるのです。この効率の良さに驚きました。
DAC(Direct Air Capture、直接空気回収技術)は、大気から直接、二酸化炭素(CO2)を分離・回収する技術のことをいいます。大気中の約0.04 %という希薄なCO2を取り出すため、固体や液体にCO2を吸着・吸収させる、特殊な膜でCO2を分離して回収する、冷却して固体(ドライアイス)にして回収するなどさまざまな技術が研究されています。
https://www.aist.go.jp/aist_j/magazine/20230830.html
DOCの可能性と日本での展開
日本は海に囲まれた島国で海洋国家です。DOCを普及させる余地が大きいので、今後この技術が日本でも展開される可能性が高いと思います。
JALや日立といった日本企業もこの技術に出資しており、カーボンクレジットの販売や合成燃料の原料としての活用が期待されています。これが実現すれば、日本は技術的にも環境的にもリーダーシップを発揮できるかもしれません。
未来を感じる技術
CO2回収というと大規模なプラントやコストの高さが課題でしたが、海の力を利用するというアイデアは新鮮で、現実味を帯びています。この新しい技術は環境問題だけでなく、新しい産業や雇用の創出にもつながるのではないでしょうか。
日本がこの分野で先進的な役割を果たすことを期待しつつ、引き続きこのような未来の技術に注目していきたいですね。