みなさん、こんにちは!
今回は、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー(以下、再エネ)の「柔軟性」について考えてみたいと思います。最近読んだ記事から学んだことを交えて、太陽光や風力エネルギーの可能性と課題についてお話しします。

VREって何?

最初に注目したいのは「VRE(変動性再生可能エネルギー)」です。これは、太陽光発電や風力発電のように、発電量が天候に左右されるエネルギーを指します。VREは先進国では一般的なエネルギー用語で、燃料コストがほぼゼロという「限界費用ゼロ」という特徴があり、燃料費がかからないのが大きな利点です。しかし、天候や時間によって発電量が変わり、供給が不安定になるという課題もあります。

VER(Variable renewable energy:変動型再生可能エネルギー)とは

水力、地熱、バイオエネルギー、太陽光、風力、および海洋エネルギーなどの再生可能エネルギーの利用可能性は、地熱エネルギーを除くとさまざまな程度で年、季節、月、日、時間、および 1 時間内のさまざまなタイムスケールで「変動性」がある。このようなエネルギーを「変動型再生可能エネルギー(VRE)」という。特に太陽光発電と風力発電は短いタイムスケールでの変動性がきわめて高く、電力系統に風力発電と太陽光発電を大量に系統連系した場合の運用面が課題となる。
https://www.levo.or.jp/research/tyousa/research-tyousa-4/word-v2/

VREの課題、出力抑制と電力システムの負荷

VREが増えると、発電しすぎて電力が余る場合もあります。例えば、日本では昼間に太陽光発電が増えすぎると「出力抑制」が行われ、発電量を調整する必要が出てきます。これによってエネルギーの効率的な活用が難しくなる一方で、VREの普及を支えるためには避けて通れない問題です。

出力抑制とは

太陽光発電など再生可能エネルギーの導入が急速に普及することで、供給量が需要よりも上回ってしまうと、安定した電気の需給バランスが崩れてしまいます。それを避けるために、電力会社がエネルギーの買い取りを一時的に停止できる制度を「出力抑制」、または「出力制御」と呼びます。
供給量が需要を大きく上回ると電力の需給バランスが崩れ、大規模な停電を引き起こすおそれがあります。また、電力はためておくことができないので、常に需給と供給のバランスを保ち続ける必要があります。
https://rakuene-shop.jp/columns/2220/

柔軟性の拡大とは?

記事でも紹介されていた「柔軟性の拡大」という対策は、VREのような不安定なエネルギーを効率的に利用するための工夫を意味しています。具体的には、発電所の調整や電力需要の予測、家庭や産業での需要のコントロール(いわゆる「デマンド・レスポンス」)、送電網の強化や蓄電技術などがあります。これらの工夫により、VREの持つ不安定さを補い、電力システム全体を支えるための仕組みが整備されていくわけです。

デマンド・レスポンスとは

デマンド・レスポンスとは、電力の需要量を供給量に合わせる手法のことを意味します。正式には「ディマンド・リスポンス」と言い、省略して「DR」と表記されることもあります。
https://www.cdedirect.co.jp/media/c1-electricity/c12-e-howto/2826/

日本の現状と他国との違い

日本はまだVREの導入が遅れているとされていますが、今後の導入加速によって2030年頃には「フェーズ4」に突入すると予測されています。しかし、今のVRE導入比率はまだ低く、実際に欧州諸国のように柔軟なエネルギー管理ができるかには疑問も残ります。例えば、デンマークやアイルランドはVREが年間のほとんどを占める「フェーズ5」に達しており、日本との差が顕著です。夜間にも発電できる風力の割合が少ないことが、日本の再エネ普及の課題として挙げられます。

未来に向けた柔軟性の拡大がカギ

これからの脱炭素社会には、柔軟性のあるエネルギー管理が重要です。蓄電技術の進化やデマンド・レスポンスの普及によって、私たちもエネルギー消費の最適化に貢献できる時代が来るかもしれません。「日本も脱炭素の波に乗って、柔軟性を持ったエネルギー社会を目指していく」ことが、世界に追いつくための第一歩だと感じています。

再生エネルギーの導入拡大には多くの挑戦が伴いますが、私たち一人ひとりの意識が変わることで、より持続可能な未来を目指していけるのではないでしょうか。