みなさん、こんにちは!
今日は、東邦ガスが新たに参入した「容量市場」と、それを支える仮想発電所(VPP)の取り組みについて、エネルギー業界が抱える課題や、それに対する企業の工夫をお話しします。
容量市場って何?ガス会社が注目する理由
まずは「容量市場」について簡単にご説明します。これは、電力そのものを取引する市場ではなく、将来必要となる供給力を確保するための取引を行う市場です。たとえば、4年後に電力需要が増えると予測される場合、そのときに使える供給力を今から準備するための仕組みです。
この記事では、東邦ガスがこの容量市場に参入することで、新たな収益源を確保しようとしていると書かれていました。再生可能エネルギーが増える中、天候に左右されやすい電力供給をどう安定させるかが課題ですが、これをうまく解決するのが仮想発電所(VPP)の仕組みです。
バーチャルパワープラント(VPP)とは、需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者が、そのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースからの逆潮流※も含む)することで、発電所と同等の機能を提供することです。
※逆潮流:自家発電事業者等が、消費電気よりも発電電力が多くなった場合に、余った電力を電力会社線側に戻るように流すこと。また、需要家とエネルギーリソースが同じ場所にない場合は、直接電力を電力会社線側に流すこともある。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html
仮想発電所(VPP)の仕組みとその魅力
VPPとは、家庭用の蓄電池をインターネットを通じてまとめて制御し、一つの大きな発電所のように扱う技術です。東邦ガスは「わけトク」というサービスで、家庭用蓄電池を束ねて供給力を確保し、その電力を容量市場で売る仕組みを構築しています。
面白いのは、蓄電池の電力を市場価格よりも高い値段で買い取ることで、家庭の参加意欲を高めている点です。記事によれば、1kWhあたり電力料金単価より3円高く買い取るそうです。これなら、家庭側も「ちょっと得するから参加してみようかな」と思うかもしれませんね。
再生可能エネルギーの時代におけるガス会社の戦略
今回の記事を読んで感じたのは、ガス会社がこれまでのビジネスモデルだけでは将来の収益が見込めないと考え、新しい領域に挑戦しているという点です。特に興味深かったのは次のポイントです。
火力発電所の削減が進む中、ガス会社は自らの設備やネットワークを活用し、エネルギー関連の新たなビジネスを模索しています。
東邦ガスは中部地域を中心に家庭用蓄電池を活用していますが、これは地域密着型の企業だからこそできる強みの活用と言えます。
記事によれば、容量市場の取引価格は上昇基調にあるそうです。安定供給のための市場である一方、企業にとっては収益拡大のチャンスでもあります。
今後への期待と可能性
このような取り組みを見ると、「ガス会社=ガス供給だけ」という従来のイメージが大きく変わってきたと感じます。再生可能エネルギーを取り巻く環境はまだ発展途上で、多くの課題がありますが、だからこそ新しいアイデアや技術が求められています。
こうした企業の挑戦は他の業種にも参考になると感じました。特に、既存のリソースを活かして新しい市場に参入するという考え方は、エネルギー業界に限らずどの分野でも重要ですよね。