みなさん、こんにちは!
今日は「卒FIT問題」についてお話しします。2050年のカーボンニュートラルを目指す日本にとって、再生可能エネルギー(再エネ)は鍵を握る存在です。しかし、「卒FIT」が進むことで新たな課題が浮き彫りになっています。卒FIT問題の背景やその影響、再エネの未来について考えてみたいと思います。
卒FIT問題って何?
FIT制度(固定価格買取制度)は、再エネで発電した電力を一定期間、固定価格で買い取る仕組みです。この制度のおかげで、日本では太陽光発電をはじめとする再エネの普及が進んできました。しかし、FITの買取期間が終了する「卒FIT」の時期が2032年から本格的に始まります。
卒FITを迎えた発電所のうち、2050年には22.5%が事業を停止する可能性があると言われています。特に、個人投資家が所有する50kW未満の小規模発電所が多く閉鎖される見通しです。このままでは、カーボンニュートラルへの道に黄信号がともりますね。
なぜ卒FITが問題になるのか?
卒FIT後の発電事業は、固定価格がなくなるため、利益が見込みにくくなります。加えて、機器の更新費用や保険料の負担も課題です。
FIT期間中は売電先が保証されていましたが、卒FIT後は自分で売電契約を結ぶ必要があります。特に新規参入した事業者にとって、このハードルは高いものです。
九州などではすでに出力抑制が頻繁に発生しており、計画通りに売電できない発電所も増えています。これらのリスクが事業継続の足かせとなっています。
この問題の深刻さを改めて感じました。再エネ普及を進める中で、FIT制度に頼りきりだったツケが回ってきたのかもしれません。
卒FIT問題への対策、DXの力を活用
卒FIT後の再エネ事業を魅力的にするためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用が重要です。
企業が、ビッグデータなどのデータとAIやIoTを始めとするデジタル技術を活用して、業務プロセスを改善していくだけでなく、製品やサービス、ビジネスモデルそのものを変革するとともに、組織、企業文化、風土をも改革し、競争上の優位性を確立すること。
https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/dx
- AIを活用した故障予知や保守管理の効率化
- 複数発電所を一元管理できるプラットフォームの導入
これらの取り組みは、ランニングコストを削減し、事業を持続可能なものにする効果があります。
蓄電池を併設することで、余剰電力の有効活用や収益性の向上が期待できます。たとえば、タイムシフト運用や需給調整市場の活用などが考えられます。
卒FIT後も再エネ事業を続けるためには、これまでの「投資としての太陽光発電」から「持続可能な電源管理」へ意識を切り替える必要があると感じました。
再エネの未来に向けて
卒FIT問題は確かに大きな課題ですが、それは再エネ事業が成長するための転機でもあります。適切な事業運営と技術活用が進めば、卒FIT電源はカーボンニュートラル実現の強力な武器になるでしょう。
私たちができることは、再エネへの関心を高めること。そして、必要な技術や政策の後押しを社会全体で考えていくことではないでしょうか。