みなさん、こんにちは!
海を走る船のエンジンが水素で動く時代がすぐそこまで来ているのをご存知でしょうか?ヤンマーパワーテクノロジーが、その革新的な一歩を踏み出しました。なんと、定格出力約500kWの水素エンジンの陸上実証に成功したのです!
海を走る未来のエンジン
このエンジン、少量のディーゼル油を点火源(パイロット燃料)として使いながら、主に水素を燃やして動くんですよ。専門的には「発電用パイロット着火式水素4ストローク高速エンジン」というらしいですが、要するに水素のパワーを最大限に引き出す賢い仕組みのエンジンなんです。しかも、この方式での水素燃料比率は世界最高レベルだとか。すごいですよね!
なぜ船舶のゼロエミッション化が重要なのか
さて、なぜ船のエンジンをわざわざ水素で動かそうとしているのでしょうか?そう、日本は四方を海に囲まれた島国です。海運業は私たちの生活に欠かせません。でも同時に、船からの排出ガスも無視できない問題なんですよね。
2050年には、なんとか内航分野でカーボンニュートラルを実現したい。そんな大きな目標に向けて、水素エンジンの開発は重要な一歩なんです。海の環境を守りながら、経済も回していく。そんなバランスが求められているんですね。
電気vs水素、輸送手段ごとの最適解
「でも、車は電気で動くようになってきてるじゃない?」そう思った方もいるかもしれません。でも、船やトラックのような大型の乗り物は話が少し違うんです。
これらの乗り物は大きな力(トルク)が必要で、現状の電気モーターではちょっと力不足なんです。そこで出てくるのが水素。パワフルで、しかも環境にやさしい。それぞれの良さを活かす、そんな使い分けが必要になってくるんですね。
水素エンジン船の実用化への道のり
では、いつ頃水素で動く船が実際に海を走るようになるのでしょうか?ヤンマーは2026年に実証運航を計画しているそうです。さらに面白いのは、水素エンジンとバッテリーを組み合わせたハイブリッド電気推進船の開発も進んでいるんです。
この船、なんとコンテナみたいな形の水素発電装置を甲板に載せられるんだとか。柔軟な設計で、様々な船に応用できそうですね。2030年頃からの普及を目指しているそうです。未来の港の風景が今から楽しみですね。
本当の意味でのゼロエミッションを目指して
ここで一つ考えなければいけないのが、その水素をどう作るか、ということ。せっかく船の排出ガスを減らしても、水素を作る過程で大量のCO2を出しては本末転倒ですよね。
理想は、塩害に強い太陽光パネルを沿岸部に設置して、その電力で水素を作ること。海辺に水素ステーションが並ぶ、そんな日が来るかもしれません。オーストラリアからの輸入に頼るのではなく、地産地消の水素、これが本当のゼロエミッションへの道筋かもしれません。
日本は昔から海の恩恵を受けて発展してきました。これからは、海を守りながら発展する番です。水素エンジン船の開発は、その大きな一歩になるでしょう。環境に優しい船で日本中の港を結ぶ。島と島を人と物資で繋ぐ。そんな未来が、もうすぐそこまで来ています。海洋国家日本の新しい姿を、水素エンジン船が切り開いていく。そんな夢を感じさせてくれる技術開発が、今まさに進行中なのです。