みなさん、こんにちは!
今回は、蓄電池を使った地域分散型電源の実証実験に挑む伊藤忠商事の取り組みについての記事をもとに、最新の蓄電池ビジネスについてお話ししたいと思います。農家とスーパーが電力を直接取引する仕組みや、AIによる需給バランスの最適化など、まさに最前線の取り組みが紹介されていました。
農家とスーパーを結ぶ、地域分散型電源とは?
伊藤忠商事は、群馬県前橋市でJAと提携して地域分散型電源の実証実験をスタートさせました。農家に設置された太陽光パネルと蓄電池で発電・蓄電した電力を、JAのスーパーに売る仕組みを作ったのです。このプロセスには伊藤忠の子会社「TRENDE」が開発したプラットフォームが活用されており、AIが需給バランスを予測して効率的な取引を実現しています。
電力の地産地消のような取り組みが進むと、エネルギーの無駄が減り、地域経済の活性化にもつながりそうですね。また、農家にとっても新しい収入源が生まれる点が魅力的です。
「TRENDE」の可能性、AIで電力取引を効率化
電力取引のプラットフォーム「TRENDE」では、AIが30分ごとの需給バランスを予測し、最適なタイミングで取引を行います。この仕組みにより、売り手と買い手の経済メリットが最大化され、余剰電力も効率的に活用されます。こうしたシステムは卒FIT電源や新規の余剰電力を集約して需要家に売る「アグリゲートサービス」の進化版と言えそうです。
AIを活用した効率化は、再生可能エネルギーの可能性を大きく広げますね。特に、余剰電力を無駄にしない仕組みがあることで、発電者も安心してエネルギー事業に参加できるようになると感じました。
2009年に開始された太陽光発電の余剰電力買取制度の適用を受け導入された太陽光発電設備は、2019年11月以降順次、10年間の買取期間を終えることとなります。買取期間を終えることを「買取期間満了」、買取期間満了後の電源を「FIT卒業電源(=卒FIT)」と言います。
https://www.tepco.co.jp/pg/consignment/retailservice/renewable/pdf/lgfit_sotsugyou.pdf
アグリゲーション(aggregation)とは、英語で「集めること」や「束ねること」を意味する言葉。電力分野における「アグリゲーションビジネス」は、電力を束ね、効率的かつ安定的に電力の需給バランスを取るビジネスのことです。その中心を担うのは、電力の需給バランスを調整する司令塔である「アグリゲーター」と呼ばれる事業者です。アグリゲーターはIoTなどの情報通信技術を駆使して数多くの発電設備や電力ユーザーを束ね、必要に応じて発電量や電力消費量を制御することで、電力系統の安定化に寄与します。天候などに左右されやすい再生可能エネルギーによる発電も「アグリゲーションビジネス」によって束ねられることで安定化するため、再生可能エネルギーの普及のために重要な役割を果たします。
https://www.eneres.jp/journal/aggregation-business/
蓄電池が描く未来
蓄電池は脱炭素社会を目指す上で欠かせない技術の一つです。今回のような実証実験が増えれば、電力の地域循環が実現し、より持続可能な社会へと近づくと思います。
また、個人としても太陽光発電や蓄電池の導入を検討するきっかけになるかもしれません。